最近は、文房具店や100均などでも「水引なしタイプのご祝儀袋」をよく見かけますよね。
見た目がシンプルで使いやすい反面、「これって失礼じゃないの?」と不安に思う方も多いはず。
この記事では、水引なしのご祝儀袋を使ってもよい場面や、正しい書き方・包み方を初心者の方にも分かりやすくご紹介します。
水引なしのご祝儀袋とは?意味とマナーの基本
ご祝儀袋と聞くと、赤や金の水引がついた華やかな封筒を思い浮かべますよね。
水引なしのタイプは、そうしたものよりも“略式”と呼ばれるカジュアルなスタイル。
フォーマルな場では使わないほうがよいですが、気軽なお祝いの場面では十分マナーに合っています。
また、白い封筒だからといって香典袋と混同されることもあるので、必ず「御祝」などお祝いの表書きを忘れずに書きましょう。
水引なしのご祝儀袋を選ぶときのポイント
- 素材とデザイン:上品な和紙風や少し厚手の紙がおすすめです。光沢があるタイプもきれいですよ。
- 中袋付きか確認:お金を入れる中袋があると、より丁寧な印象になります。
- 金額とのバランス:5,000円くらいまでの少額なら略式でOK。1万円以上なら少し格のあるものを。
💡選び方のコツ:100均のご祝儀袋でも、清潔で折れや汚れがないものなら十分。心を込めて書けば立派な贈り物になります。
水引なしのご祝儀袋の書き方(表書き・名前)
ご祝儀袋の表面上部に「御祝」「内祝」「御出産御祝」など、目的に合わせた言葉を書きます。
その下に自分の名前をフルネームで記入しましょう。筆ペンやサインペンを使い、黒いインクで書くのが基本です。
NG例:ボールペンで書く、濃すぎるマジックを使う、字を省略するなどは避けましょう。文字に自信がなくても、ていねいにゆっくり書けば大丈夫です。
水引なしのご祝儀袋の止め方・包み方
まずは中袋にお札を入れます。お札は新札を使い、肖像画(福沢諭吉など)が表に来るように入れましょう。
封をする際は、慶事なので「上の折りを下に重ねる」のがマナー。
これは“幸せを受け止める”という意味があります。糊をつける場合はほんの少しだけ、セロハンテープは避けましょう。
水引なしのご祝儀袋を使ってもいいシーン・避けた方がいいシーン
使ってOKな場面:
- 出産祝い
- 入学・卒業祝い
- 昇進・転職祝い
- 快気祝い
避けた方がいい場面:
- 結婚祝い
- 目上の方や上司へのお祝い
- 公式な式典
💡カジュアルな関係なら略式で十分ですが、フォーマルな席では伝統的な水引付きのご祝儀袋を選びましょう。
出産祝いに水引なしのご祝儀袋はOK?
出産祝いは、比較的カジュアルなお祝いのひとつ。ですので、水引なしタイプでも失礼にはなりません。
金額が3,000〜10,000円程度であれば、シンプルな封筒でも問題ありません。
お金の包み方:
中袋に金額(例:「金壱万円」)と自分の住所・名前を書きましょう。
渡すタイミング:
産後1週間〜1か月の間が目安。体調を気遣って、郵送するのも良い方法です。その際は現金書留を利用してくださいね。
手渡し・郵送のマナーの違い
手渡しの場合: 明るい言葉で「おめでとうございます!」と一言添えて渡しましょう。笑顔で手渡すとより印象が良く、相手にお祝いの気持ちがしっかり伝わります。袋をそのままではなく、袱紗(ふくさ)や封筒カバーに包むとより丁寧です。また、渡すときは袋の向きを相手に正面が向くようにし、両手で差し出すのがマナーです。少しのお辞儀を添えると、より気持ちのこもった渡し方になります。
郵送の場合: 現金書留封筒を使い、メッセージカードを同封すると印象がよくなります。封筒の中には「おめでとうございます」「ご出産お祝い申し上げます」など、短い言葉を添えるとより温かみが出ます。二重封筒は避けてくださいね。また、宛名は丁寧に書き、封筒の表面に「御祝」などの表書きを入れると丁寧さが際立ちます。投函前に切手や封の状態を確認し、雨の日は防水袋を使うなどの気遣いもおすすめです。
水引なしでも丁寧に見せる工夫
- 一筆箋で「おめでとうございます」とひとこと添える
- 清潔でシワのない封筒を選ぶ
- 手書きの文字を丁寧に書く
ちょっとした気遣いで、シンプルな封筒でもしっかりと「心が伝わる贈り物」になります。
よくある質問Q&A
Q1:100均のご祝儀袋でもいいの?
→ きれいな状態ならOKです。紙質や印刷が上品なものを選ぶと安心です。
Q2:香典袋と間違われない?
→ 白黒やグレーのものは避けましょう。赤・金など明るい色が入っていれば大丈夫です。
Q3:のし袋とご祝儀袋は同じ?
→ のし袋は“のし”が印刷されているお祝い用封筒、ご祝儀袋はお祝いを包む全般を指します。つまり、のし袋はご祝儀袋の一種です。
まとめ:水引がなくても心は伝わる
形式も大切ですが、いちばん大事なのは“お祝いの気持ち”。
たとえ見た目がシンプルでも、相手を思う真心や感謝の気持ちがこもっていれば、それが一番の贈り物になります。
水引がなくても、清潔で丁寧に書かれたご祝儀袋なら、十分に思いは伝わりますし、相手に温かい印象を与えることができます。
さらに、メッセージカードを添えたり、封筒を上品な袋に入れたりすると、より気持ちのこもった贈り物になりますよ。
相手との関係や場面に合わせて、形式にとらわれすぎず、相手を思う気持ちを大切にしたいですね。

